家族の形はさまざま、問題もさまざま、家族を描いたオススメ映画 16選

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家族を描いたオススメ映画です。

ほっこり温かいもの、家族ならではの緊張感があるもの、複雑な親子関係を描いたものなど、ハッピーな作品から重めな作品まで、いろいろオススメします。

家族の温かさ

海よりもまだ深く

あらすじ

15年前に文学賞を取って以来、作品が書けないまま取材と称して探偵事務所に務める良多。お金が入るとギャンブルですってしまい、前妻:響子との息子と会うための養育費も支払いが滞っている。

息子:真悟との面会日。金のない良多は、ヘソクリをくすねようと真悟と一緒に団地に住む母を訪ねる。響子は真悟を迎えるため団地まで来て一緒に食事をとる。帰ろうとするも台風が接近し、良多と母は泊まるように説得。台風の夜4人は共に過ごすことになる。

おすすめポイント

良多のダメ夫ぶり、ダメ父親ぶり、ダメ息子ぶりがまず面白い。でもなぜか憎めない男で、息子:真悟やバイト先の後輩には慕われている。

また、団地に一人暮らしで、ときどき息子や娘が訪ねてくるのを楽しみにしている母親の様子がなぜか懐かしい。

その母が、良多のダメなところを重々理解しつつ、それでも良多を受け入れているのが温かい。その温かさが単なる甘さではなく、母なりの考えや実感に基づいているのが良い。

「何かの役には立っている」と、ダメな人を肯定する優しい作品。

リトル・ミス・サンシャイン

あらすじ

アルバカーキに住むあるフーヴァー家。7歳の娘オリバーがカリフォルニアで開催される美人コンテストに出場することが決まり、両親、祖父、兄、叔父の一家6人でワゴンに乗ってカリフォルニアに向けてのドライブが始まる。

出発して早々、ワゴンのクラッチが壊れ、発進の際には家族全員で車を押しながらエンジンをかけなくてはいけなくなる。さらにさまざまな困難は続き、家族はケンカし、慰め合いながら美人コンテスト会場を目指す。

おすすめポイント

変わり者だらけの家族が、1台のワゴンに乗って旅をする、という状況設定がまず面白い。

そして、この家族には勝者がいない。人生に疲れて自殺未遂をした叔父、学校生活を楽しめない息子、人生をかけたビジネスチャンスの進捗が芳しくない父親、ギクシャクした家族をまとめきれない母親、家族の厄介者で薬物中毒の祖父、美人コンテストで勝てそうにはない娘。

旅の困難と、家族が抱える問題が同時に解決していくストーリーが見事。

そしてラストは、選ばれることより楽しむこと、勝つことより旅をすること自体の方が大事だと実感させられる優しい結末。

ローラーガールズ・ダイアリー

あらすじ

母の期待に応えるべく美人コンテストに出場し続けるブリス。ブリス自身は美人コンテストに飽き飽きしているが、自分の中にやりたいことがあるわけでもなく、退屈な毎日を過ごしていた。

ある日、買い物に入った店でローラーダービーのフライヤーを置いていく女たちに出会う。興味を持ったブリスは親友を連れて試合に出かけ、すっかりローラーダービーにハマってしまう。

家族に隠れながらこっそりローラーダービー選手になり、メキメキと頭角を現していくが・・・。

おすすめポイント

ローラーダービーにハマった少女の青春物。家族が中心に描かれたストーリーではないが、親離れ子離れの展開がとても良い。

ブリスの敵対者として描かれる母親も、単に悪役として終わるのではなく、ブリスとの関係を再構築していく展開で家族の温かさを描いている。

優しいが頼りない父親も魅力的だし、最終的に「こんな家族いいなー」とほっこりできる作品。

ラブ・アゲイン

あらすじ

レストランで食事中、突然、妻エミリーは不倫したことを告白し、夫キャルに離婚を切り出す。呆然とするキャルだが、しぶしぶ家を出て一人暮らしを始める。キャルは毎晩バーへ通い、そこで毎日不平不満を漏らしていた。

毎晩女性を口説き落とすバーの常連ジェイコブは、そんなキャルの姿にうんざりし、出来心から彼をイケてる男に変身させる決心をする。

ジェイコブによってオシャレになり、女性を口説くテクニックを身につけるキャル。一方で、ジェイコブはある日ハンナという女性と出会い、彼女と真剣な付き合いを始める。

エミリーの方は、自分から切り出したものの離婚に確信が持てずにいる。不倫相手ともギクシャクし、不安定な日々を送る。エミリーと暮らす2人の息子ロビーは、ベビーシッターであるジェシカにゾッコンだが、ジェシカは実はキャルに憧れており、離婚話で会えなくなってしまったキャルのことを思っている。

キャルの家族を中心に、キャルとエミリー、ジェイコブとハンナ、ロビーとジェシカの3つの恋が、だんだんと絡まり合っていく。

おすすめポイント

あらすじを読むと混乱必至な3つのロマンスを、絶妙に絡めて進むストーリーがまず面白い。リアルとは言えないかもしれないけど、映画のストーリーとしてよくまとまっていて、最後はハッピーな気持ちになれる良作。

家族のメンバーがそれぞれがバラバラに恋をし、しかし、家族の繋がりによってそのバラバラの恋がお互いに影響しあう。そこで生まれるドラマチックな展開がドラマとして面白く、さらに登場人物同士の関係性やその変化もほっこり温かい。

ダメ男の変身、プレイボーイ の真剣な恋、少年の純粋な恋心、中年の危機からの離婚騒動。ある一家を使って、これでもかと楽しく恋愛を描く面白さがすごい。

海街diary

あらすじ

父の死をきっかけに、4人で暮らすことになった異母姉妹。

早くに実母を亡くし、自分の居場所を見つけられずにいた末っ子のすずは、父の死後、鎌倉に住む3人の姉に勧められ、一緒に住むことを決意。姉たちと暮らす中で、だんだんと自分の居場所を獲得していく。

そして長女の幸も、ずっと許せなかった自分たちを捨てた両親に対して、違う感情を持ち始める。

おすすめポイント

ダメな両親に苦労させられた4人姉妹のほっこり物語。

3姉妹から父を奪った女性を母親に持つ異母姉妹のすず。すずは3姉妹の元へ来たことで長女から末っ子へとガラリと立場を変える。

少しずつ「妹」にいなっていくすずの視点を通して、家族の暖かさや優しさを描くと同時に、家族ならではの気まずさも垣間見せる。

また長女:幸が、許せなかった両親をだんだんと受け入れていく様子も大きな軸となっていて、そんな幸を通して「血は争えん」的な家族の遺伝子的な厄介さも描かれている。

鎌倉の魅力的な景色を背景に4姉妹の生活を描く、観ていて心地よくなる作品。

家族の強さ

はじまりへの旅

あらすじ

森の中で半自給自足の生活を営むベンと6人の子供達。体を鍛え、狩りをし、作物を育て、本を読み、楽器を弾いて、7人は暮らしていた。

ある日、精神病を患っていたベンの妻が自殺したとの連絡を受けたことから、7人はバスに乗り、街へ繰り出す。

森で現代社会から離れて生活する子供達から見れば街は奇妙に見える。そして、ベンの義父や妹夫妻からすれば、ベンの教育方針は極端で間違っているように見える。

旅を通して子供達はベンに反抗しはじめ、ベンの指示のせいで娘の1人が怪我をしてしまう。

ベンは、自分のやっていることに疑問を持ち始め、孫の養育権を求める義父の要求を飲むべきかどうか悩み始める。

おすすめポイント

強い信念の元に、一般的ではない教育方針で6人兄弟を育てる父親:ベンの物語。森でほぼ自給自足の生活。しかし完全に自然に帰ろう的な方針とも少し違っていて、しっかり勉強し、楽器を弾き、車も所有して、時々街に買い出しに出ている。

この家族の日常生活の描写がまず面白い。観る人によっては子供が可哀想だと思うかもしれないし、楽しそうな生活だと思うかもしれない。なんにしても、かなり強靭な子供が育っている。

そして、ストーリーの中で、ベンは自分のやっていることは正しいのか、子供たちにとって良いことなのか、と悩み始める。

癖の強いキャラクターを描いた作品なので、ベンを見ていて自分がどう感じるか、周りの人はどうか、想像したり話し合ったり。そういう見方ができる作品。

LION/ライオン 〜25年目のただいま〜

あらすじ

インドで、貧しいながら優しい家庭の中で生活する5歳の少年サルー。ある夜、駅のホームで兄を見失い、列車の中で兄を探すが、そのうちに列車が走り出してしまう。着いた先は言葉の通じないコルカタの駅。

危ない目にあいながらも保護され、施設で暮らすサルー。運良くオーストラリアの夫妻に養子として引き取られ、そのまま大学生になる。

ある日、偶然インドのお菓子を見たことで過去の記憶が一気に蘇り、故郷の母や兄に対する思いが高まる。友人に相談すると、グーグルマップで列車に乗った場所を割り出したらどうかと提案される。

おぼろげな記憶から、グーグルマップ内に表示される膨大な駅を見て回るサルー。故郷探しに没頭し日常生活が疎かになり、だんだんと孤独になっていく。オーストラリアの家族や恋人と、故郷の母や兄への思いの間で迷いながら、サルーは故郷の街を探し続ける。

おすすめポイント

5歳の時にインドで迷子になり、オーストラリアの夫妻に養子として育てられている、という設定自体がとても興味深い。

そして、この夫妻、特に母親:スーの信念には感心させられる。

あらすじを読んで想像できる通りにストーリーが進んでいくので、そういう意味での驚きはないのだが、そもそもこれが実話だという驚きがすごい。

時間や空間を超えても、家族は家族なんだな、と実感させられる作品。

サバイバルファミリー


あらすじ

東京のマンションに暮らす鈴木家。ある朝、家中の電化製品が止まってしまう。不便な朝に苛立ちながら父は会社へ、息子は大学、娘は高校へ。しかし街へ出てみると、停電は鈴木家やそのマンションだけでなく、街中に広がっていることが分かる。

これが単なる停電ではなく、電池も含め電気自体が使えないことも分かってくる。車もエンジンがかからない。テレビもラジオも電話も使えず、何も情報を手に入れることができない。

最初は復旧を待っていた鈴木家も、数日が過ぎるうちに家を出ることを決める。目指す先は妻の父が住む鹿児島。イマイチまとまりのない家族は、荷物を詰めて、不安な表情で自転車を漕ぎだす。

おすすめポイント

「電化製品が使えない」というシチュエーションを作ることで、「頼れるのは家族しかいない」という環境を必然的に作り出し、その中でいまいち噛み合っていなかった家族が協力しながら旅をする。

東京から自転車で旅をする面白さ、ディストピア的環境の中で工夫しながらサバイバルする面白さ、疎遠だった家族がだんだん親密になっていく面白さなど、いろいろな楽しさがある作品。

ディストピアものながら、比較的呑気な雰囲気。しかし苦難はしっかり描かれており、緊張感はちゃんとある。その中に人の温かさもある(逆にエグい人間模様は省かれている)。

家族とディストピアを掛け合わせたエンタメコメディ映画の良作。

家族の難しさ

歩いても 歩いても

あらすじ

夏の終わり、横山一家が久々に実家に集まる。一足先についた姉:ちなみと母が料理を作って待つ中、失業中の良多は結婚したばかりの妻と、妻の連れ子を連れて実家に到着する。

威厳たっぷりで頑固な父親。優しいが棘のある母親。愛嬌で上手く家族をまとめる姉。家族に馴染めず窮屈さを感じる良多。良多の家族と初対面の良多の妻と子供。

表面的には穏やかで賑やかな家族の時間。しかし会話の端々から家族ならではの面倒な関係性が見え隠れする。

おすすめポイント

家族の普遍性を感じられるような映画。全然知らない家族なのに、なぜか知っている、自分も経験したことがあるかのように感じてしまう絶妙なキャラクターとストーリー。

家族の温かさが描かれつつ、同時に、家族だからこその緊張感や面倒臭さを巧妙に描いており、大事件が起きないストーリーであるにも関わらず、グイグイ空気に引き込まれてしまう。

そんな緊張感のある1日が終わった翌日。何事もなかったかのように新しい1日が始まるラストがとても印象的。

なんでもないような1日がドラマチックであり、そんな1日もまた普通の日常に返っていく。そんな人生の奇妙さを感じさせる作品。

レイチェルの結婚

あらすじ

更生施設で麻薬中毒を治療中のキムは、姉レイチェルの結婚式に出席するため、数日の間、家に帰る。家族や友人は暖かくキムを迎えるが、どこかぎこちない。また、キムも自己中心的な振る舞いでレイチェルを苛立たせる。

結婚式のリハーサルから、結婚式当日の数日を通して、家族の中に沈殿していたわだかまりが噴出する。

おすすめポイント

家族の温かさがありながら、その裏側にある面倒くささや厄介さが見え隠れするピリピリ感がなんとも言えない魅力(『歩いても歩いても』に似ている)。

結婚式という華やかで嬉しい・楽しい時間と、家族の衝突が同時に起こるという設定の面白さ。主人公レイチェルの厄介者加減。両親のレイチェルに対するなんとも言えない無理解。優しいけど無理解という家族っぽい距離感の息苦しさ。

そんな家族に憤り極端な行動を起こすレイチェルに、観客は感情移入できるような、眉をひそめるような、まさにレイチェルに対する家族の距離感を追体験できるような作品。

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル

あらすじ

娘の才能を見抜いた母親は、生活の全てを捧げて娘をフィギュアスケーターとして厳しく育てる。娘トーニャもその厳しさに負けず、どんどんと頭角を現し、オリンピックを狙える選手として成長。

しかし、トーニャの生活はいつも暴力や暴言に溢れ、実力はあるのにいつも1番にはなれず苦しむ。そんな中、ケンカばかりしている夫がトーニャのために考えたことが、トーニャの選手人生を狂わせる事件に発展してしまう。

実話をベースに、ドキュメンタリー風に作られた、悲劇をブラックユーモアたっぷりに描くアツくも笑える、ちょっと不道徳なヒューマンドラマ。

おすすめポイント

子供の自己肯定感を潰すような、今で言えば絶対にアウトな教育方針を貫く母親と、しかしその教育に強く立ち向かい大人になっていくトーニャの母娘関係に善くはないが、小気味良さがある。

そして、どんなに悪辣に見えても、たしかに嘘がない関係であることはたしかで、うわべの優しさよりも、才能に対する信頼、ゆえの厳しさとして、それなりに暖かさも感じる。

もちろん、一般論として肯定はできないが、でも、こんな人生もあって、こんな母娘もいて、そして強く生きている人もいるんだと、ある種の感動してしまう家族の姿。

家族の悲劇

ルーム

あらすじ

ある「へや」で少年ジャックとその母親ジョイが暮らしている。しかし、そこは監禁部屋であり、ジョイは7年前に誘拐され、それ以来部屋に監禁されて生活している。

ジャックが5歳になった頃、犯人の男は金欠に陥り、監禁部屋の電気を止める。ジャックの成長と状況の悪化から、ジョイは脱走の決心をつける。母子は協力し、なんとか監禁部屋からの脱走に成功する。

生まれて初めて外の世界にでたジャックは、最初は戸惑いながらも、だんだんと普通の生活に馴染んでいく。一方でジョイは、理不尽に7年間もの時間を奪われたことに憤り、また世間や家族からさえ疎外感を感じ、だんだんとメンタルを病んでしまう。

おすすめポイント

監禁生活のなかで、誘拐犯の子供として生まれるジャック。この設定だけでも辛く奥深い設定だが、監禁事件自体は映画の中盤まで。それ以降は、家族の元に戻ったジョイとジャックのドラマになっていく。

そこでのジョイとジャックの、世界に対する温度差。誘拐犯の子供であるジャックをどうしても認められない父親の弱さやそれを許せないジョイ。母親に八つ当たりしながら精神を病んでいくジョイ。

重い内容ながら、希望のある終わり。

また、監禁部屋の中で成長したジャックにとっては、監禁部屋が子供時代の思い出の空間であり、大人たちとジャックで監禁事件に対する見方が違うのも興味深い

アリスのままで

あらすじ

優秀な言語学者であるアリス。医師の夫と3人の成人した子供達がおり、充実した人生を送っていた。

アリスはちょっとした物忘れに悩まされており、ある日、見慣れた大学のキャンパス内で道に迷ってしまったのをきっかけに、病院で検査を受ける。そして、若年性アルツハイマー病だと診断される。

家族はアリスを優しくサポートするが、アリスは少しずつ記憶を失う不安な日々を送る。アリスは元々の知性の高さでどうにか生活を維持しようとするが、病は彼女の努力を上回るスピードでアリスからキャリアや日常生活を奪っていく。

おすすめポイント

若年性アルツハイマーを患い、徐々に自分を失っていくアリスと、アリスを支える家族の物語。

難病物だがお涙頂戴的なわざとらしさはなく、ドラマチックな時もあれば、アリスの症状が日常となった後、妙に淡々としていく家族の様子も描かれている。

序盤はアリスの視点を描きつつ、後半はほぼ自分を失ってしまったような状態になったアリスとどう接していくかという家族の視点へと移っていく。この視点の移り変わりが、難病を単に感動で終わらせない誠実さ。

そして父になる

あらすじ

建築家としてエリートコースを走る野々宮良多とその妻みどりは、6歳の息子慶多をお受験させ、裕福で幸せな生活をしていた。

ある日、慶多を産んだ病院から呼び出される。そこで出産後取り違えが発生し、慶多が実の息子ではないと告げられる。実の息子は街の電気屋を営む斉木夫妻の長男琉晴として育てられ、慶多は斉木夫妻の息子だった。

病院は子供の交換を勧めるが、野々宮夫妻と斉木夫妻は簡単に決められる話ではないと主張し、それから面会やお泊まりを繰り返す日々が始まる。

良多ははじめ、裕福ではない斉木夫妻から琉晴を引き取り、2人とも自分たちで育てようと考えるが、子供たちと交流するうち、少しずつ自分の親としての不完全さに気づき始める。

おすすめポイント

6年育てた後に実の子供ではないと分かる。この設定で「一緒に過ごした時間か、遺伝子か」という難しい問いをど直球で投げかけてくる。

家族にとって、血が繋がってるかどうかってどういうことなんだろう、と考えさせられる作品。

さらに斉木夫妻との交流を通して、自信満々のエリート会社員である良多が、自分の不完全さに気づき、父としてだけでなく人間として成長していくストーリーとしても面白い。 

家族の崩壊・再生

フレンチアルプスで起きたこと

あらすじ

スウェーデン人の4人家族は、フレンチアルプスで5日間の休暇を過ごす。高級ホテルに泊まり、スキーを楽しみ、仲良く1日目を終える。

2日目、レストランのテラス席でランチ食べる4人。そこに雪崩が発生し、レストランへと迫ってくる。幸い雪崩はレストランに達することなくおさまるが、父:トマスは、家族3人を置いて1人で逃げてしまう。

雪崩のあと、4人は休暇の続きを過ごそうとするが、家族を見捨てたトマスの行動を目の当たりにしたことによって、家族の間には微妙な緊張感が漂う。子供たちも不機嫌になり、妻:エバはトマスと話し合おうとするが、トマスは自分は逃げていないと言い張り、話は平行線に・・・。

おすすめポイント

「危機的状況で、父が家族を見捨てたら・・・」という思考実験的なアイデアを元に、ギクシャクしていく家族関係の気まずさをユーモラスに描く作品。

かなり強烈な問題をモチーフにしながらも、人間の弱さ、虚栄心の厄介さをじっくり観察していくように、淡々と静かな雰囲気で描いているのが面白い。ラストまで含め、クリアな解決を回避し、答えは観客に考えさせようという意思も感じる。

ドラマとしては、プライドの高い夫トマスが、だんだんとプライドを失っていく過程を、ある意味では意地悪く、可笑しく描いている。同時に、妻であるエバも完全に正しい人物としては描かれない。

完全に正しい人物もおらず、完璧な解決もない。そういう微妙なニュアンスのあるドラマ、ユーモアを雪山という、このドラマにベストマッチな舞台で描くとても魅力ある映画。

アメリカン・ビューティー

あらすじ

郊外に住むバーナム家は一見幸せな家庭。しかし夫レスターは退屈な毎日に疲れ果てており、妻キャロラインはキャリアウーマンとして奮闘するも成果は今ひとつ。娘ジェーンも思春期に突入し、家族はディスコミュニケーションに陥っている。

娘への関心を示そうと、夫妻は娘のチアリーディングの晴れ舞台を見に出かける。レスターはそこでジェーンと共に踊る女子高生アンジェラに釘付けになってしまう。

同じ頃、バーナム家の隣にフィッツ家が越してくる。フィッツの息子リッキーはマリファナを売りながら自由に生きている変わり者。レスターはそのフィッツの堂々とした態度に感銘を受ける。

リッキーに感化されたレスターは、アンジェラと寝るため筋トレに励み、さらに家庭も仕事も顧みず、勝手気ままに振る舞い始める。

おすすめポイント

アメリカ郊外の、上辺は幸福そうだが実は関係が崩壊している家族の生活を舞台に、ミステリーを描いているのが面白い。

殺人事件自体がドラマチックなのではなく、そこに至るまでの葛藤や人間関係がドラマチックなんだ、と感じさせれらる不思議な雰囲気の映画。

支配的な母と気の弱い父、無関心な娘によって、なんとなく体裁を保っていた家族。しかし父が自分の人生を取り戻し始めたせいで、家族がぐちゃぐちゃになっていくという、皮肉の効いた展開。

そしてしだいに家族の大事さを再認識し始めた父が殺されてしまうという皮肉。しかも、開き直って強さを身につけた父が、自分の弱さを認められない人物に殺される。強い者が弱い者に殺される。

全体的に皮肉の効いた、道徳的ではない楽しい映画。

運び屋

あらすじ

これまで園芸家として家族を顧みず働いてきたアール。しかし、ネット社会の流れについていけず園芸の仕事を辞めざるを得なくなる。

居場所を無くしたアールは、家族の元へ帰ろうとするが、それまでの身勝手を前妻や娘は受け入れず、行き場を失う。

そんなアールを見て、ある若者が運び屋の仕事を紹介する。

金のないアールは、深く考えずに仕事を引き受け、メキシコマフィアの麻薬を運ぶ運び屋としての仕事を始める。

常に安全運転で気のいいアールは、警官にも疑われることなく着々と仕事を完了させ、マフィアのボスも期待を寄せる有望な運び屋となっていくが・・・。

おすすめポイント

主人公が運び屋であるクライムものにサブストーリーとして家族のストーリーが描かれること自体はままあるだろうが、その主人公がかなり高齢であるという設定が非常に新鮮で面白い。

また、家族のストーリーも、主人公が高齢であることもあり、関係回復のラストチャンスとして描かれているのもグッとくるポイント。

ストーリー自体はオーソドックスさを感じるものだが、主人公の設定によってこうなるのか、という驚きがある。

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