クリエイターや表現を追求する人物を描いたオススメ映画 6選

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クリエイターやアーティスト、パフォーマーなど、物づくりや表現に打ち込む登場人物たちを描いた作品を集めました。

自分のこだわりと社会的評価の間で悩んだり、自分の才能に疑いが生じたり、チャンスを得るために一線を踏み越えた行動に出てしまったり。

自分の表現を世間に認めてもらうことの大変さを感じさせてくれる映画たちです。

ヤング・アダルト・ニューヨーク

あらすじ

こだわりの強いドキュメンタリー映画監督のジョシュ。妻コーネリアとの間に子供はおらず、自由だが、どこか退屈さを感じる日々を送っていた。

大学の講義をきっかけに、世渡り上手な若手監督ジェイミーとその妻ダービーに出会う。エネルギッシュな2人に影響され、ジョシュとコーネリアは刺激的な日々を過ごす。

ジェイミーに頼まれジョシュは彼の作品作りを手伝うことに。だが、だんだんとジェイミーの本性が明らかになっていく。

おすすめポイント

こだわりの強さや、作品に対する誠実さゆえに社会と安易に折り合いをつけられないジョシュの苦悩が描かれている。

コミカルな中に哀愁があり、苦悩の中にある人間的弱さを優しく描いている。

ジョシュ視点で見ると悪役であるジェイミーだが、嫌なやつでありながら、しかし彼には彼のやり方があって、全く信念がないわけではない。

作り手としての矜恃は単なるわがままなのか。矜恃を捨てて世間に折り合うことは作り手として正しい道なのか。

世間的評価をとるか、自分のこだわりをとるか。そんな悩みを描いている。

キング・オブ・コメディ

あらすじ

親のすねをかじりながらコメディアンを目指す34歳のルパート・パプキン。彼は大ファンであるテレビスターのジェリーを付け回し、どうにか彼にサポートしてもらおうと画策するが、結局はジェリーの怒りを買ってしまう。

ジェリーに協力してもらうことを諦めたパプキンは、ジェリーのストーカーをしている悪友マーシャと一緒に、ジェリーを誘拐し、一晩だけ彼の番組を乗っ取る計画を立てる。

おすすめポイント

夢に狂うことのエネルギーと怖さを体現した作品。夢が生み出す行動力と、夢がもたらす視野狭窄をオフビートに仕上げている。

パプキンの行動に顔をしかめながらも、でも同時に、その真っ直ぐな強い気持ちに驚嘆する。

狂った夢追い人を辛辣に描きながら、しかしどこか共感してしまう。どこか応援してしまう。同時にイタい奴だと呆れてしまう。そんなさまざまな感情を感じさせてくれる名作。

プレステージ

あらすじ

同じマジシャンの元で助手をしていた2人の若手マジシャン、アンジャーとボーデン。ある日のショーで、ボーデンのミスによりアンジャーの妻を死なせてしまう。

アンジャーはボーデンを憎み仕返しを企てる。仕返しをされたボーデンもまたアンジャーを恨む。お互いに相手のキャリアを邪魔しながらも、2人とも一流マジシャンへと出世していく。

しかし、アンジャーはボーデンが考えたある「瞬間移動」の手品のタネが分からず苛立っており、常に敗北感を感じていた。アンジャーはボーデンの助手を誘拐し、ボーデンの日誌を奪ってまでタネを知ろうとするが・・・。

おすすめポイント

マジシャンである登場人物たちを通して、個人的な恨みと、パフォーマーとしてのライバル意識が絡み合った気持ちを描いている。

恨んでいる相手として「あいつには絶対負けたくない」という個人的な気持ち。「マジシャンとしては向こうの方が上だ」というプロフェッショナルとしての冷静な判断と敗北感。

この2つの感情に板挟みになったマジシャン、アンジャーの苦悩のドラマが核となり、同時にマジックの種をめぐるミステリーサスペンスになっている。

結局、アンジャーはある一線を超えてしまい、そこにクリエイターの苦悩の重大さを描き出している。

ミッドナイト・イン・パリ

あらすじ

脚本家としての成功に満足できず、小説家を目指して執筆に勤しむギル。ギルはパリに憧れ、芸術家たちが切磋琢磨した1920年代のパリに生まれたかったと語る。

ギルは婚約者のイネズとその両親と共にパリを訪れる。ある夜、疲れたギルはイネズらと別れ、パリの街を散歩する。そして気がつくとギルは、彼が夢見ていた1920年代のパリにタイムスリップしている。

戸惑いつつも憧れの芸術家たちと交流するギル。夜が明けるとギルは現在に戻る。そこには現実的な妻イネズとの退屈な時間が待っている。ギルは夜になるたび過去へ出かけ、憧れの芸術家たちとの交流を楽しむ。

現代と過去を行き来しながら、ギルは自分の人生について、決心を固めていく。

おすすめポイント

非現実的な設定の面白さと共に、多くのクリエイターが抱いたことがあるであろう「黄金時代」への憧れをテーマとした面白いストーリー。

それなりに成功しているが、その成功では満たされないギルというキャラクター。重苦しさはなく、どこか飄々としていて、でも退屈な気持ちがよく伝わってくるキャラクターだ。

退屈な今から見ると輝いて見える過去。ストーリーが進むごとに、ギルはその過去の輝きも乗り越えて、今に帰ってくる。自分の生きる時代で頑張ろう、という前向きな着地が小気味よい一作。

ナイトクローラー

あらすじ

窃盗や強盗をしながらその日ぐらいの生活をしていたルイス。ルイスはある日、交通事故の現場を通りかかり、そこで事故の様子を撮影している映像パパラッチ「ナイトクローラー」の男を見かける。

ルイスは盗難品を売った金で最低限の機材を買い、ナイトクローラーとして活動し始める。試行錯誤を繰り返しながら、熱心さと口のうまさで、あるテレビ局との契約を取り付ける。

ルイスは良い映像を取るために現場を勝手にいじったり、民家に不法侵入したりとやりたい放題だが、映像のクオリティの高さで勝負し続け、逆にテレビ局の担当者を自分の意のままに操れるほどの立場まで登りつめる。

おすすめポイント

不道徳で共感が難しい主人公ながら、「良い映像を撮る」という気概に関しては認めざるを得ない、不思議な魅力のキャラクターが主人公の映画。

たしかにルイスのやっていることは問題ありまくりなのだが、しかし、その問題行動が制作への熱意と重ね合わされることで、単に「悪」と切って捨てられない気持ちにさせられてしまう。

クリエイターを描く作品の中でも特異な位置を占める映画になっている。

ノクターナル・アニマルズ

あらすじ

アートギャラリーのオーナーとして成功を収めているスーザン。しかし夫との仲も冷え切り、仕事に対する情熱も冷め、満たされない日々を送っていた。

ある日、スーザンの元に20年前に離婚した元夫エドワードから小説原稿が届く。スーザンは、エドワードの作家としての才能を信じきれず、不倫の果てに彼の元を去っていた。

小説はバイオレントな内容で、妻と娘をならず者に殺された夫が、その復讐を果たすというものだった。この小説「夜の獣たち」にスーザンは一気に引き込まれる。

そして、感想を聞きたいと言うエドワードの頼みに応じて、スーザンはディナーの予約を入れる。

おすすめポイント

創作する姿を描く映画ではなく、出来上がった小説を巡ってストーリーが展開する映画である。

そして、この出来上がった小説の中に、小説家としての男の執念と元妻に対するある強い思いがこもっており、自分の魂を作品に込めるというクリエイターの性質がよく描かれた作品になっている。

ある作品を読むことで、その作品が出来上がるまでの長い時間を感じさせる創作物の面白さがよく描かれたストーリーになっており、劇中劇を使った構成も面白く、見応えのある作品になっている。

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