映画

ワイルド・スピード ICE BREAK -信頼のドラマをサスペンスフルに展開するアクション映画-

概要

キューバでバカンスを過ごすドミニクとレティ。

そこに、サイファーと呼ばれるテロリストがやってきて、自分の部下になるようドミニクに話を持ちかける。最初は相手にしなかったが、ドミニクと関係の深いある人物が誘拐されたと知り、ドミニクは泣く泣く彼女の部下として働くことになる。

捜査官ホブスの依頼で、またチームで仕事をするドミニクら。しかし、ドミニクは最後にチームを裏切り、サイファーの望む兵器を持ち逃げしてサイファーに渡してしまう。

秘密組織の男ミスター・ノーバディによって、チームとホブス、デッカードが基地に集められる。「ゴッド・アイ」という装置を使いサイファーを追おうと計画した矢先、サイファーとドミニクの襲撃にあい、ゴッド・アイをも奪われてしまう。

サイファーはさらに核を積んだ潜水艦に迫り、チームはそれを阻止しようと画策する。ドミニクはどうにかサイファーの手から逃れようと独自に計画をすすめる。

みんなのレビューまとめ

高評価

  • とにかく「カーアクション」がすごい。アクション映画としてもクオリティが高い
  • ドラマとしてファミリー愛が肝になっていて、見応えがある
  • テンポよく、あの手この手のアクションで引き込まれる

低評価

  • 話の肝になるソフトウェアの設定、扱いにリアリティがない
  • カーアクションが期待するほど多くない。また車が高級志向になっていたり、戦車が出てきたり、これじゃない感がある
  • ドラマ部分が多く、アクション映画としてはモタついている

ナニミルレビュー

今回も新鮮なカーアクション!?

シリーズを追うごとに新しいカーアクションを追求している『ワイルド・スピードシリーズ』。

前作『ワイルド・スピード SKY MISSION』では、タイトル通り、カーアクションを飛行機や高層ビルと絡めた新鮮なアクションシーンを展開していた。本作でもタイトルの「ICE BREAK」なアクションがクライマックスで展開する。

もちろん、クライマックスのアクションシーンも凄いのだが、個人的には中盤でロシアの政府高官を狙うシーンが一番印象に残っている。

まさに現代的戦術、かつ、敵がハッカであるという設定を最大限に活かした展開。アクションシーンとしてもとんでもない物量と迫力で進行する映像に、度肝を抜かれた。

車の自動制御がサイファーにハッキングされ、有人、無人問わず、通りの車がサイファーの意のままに操られる。

道路を川のように車の群れが走り抜けるシーンは圧巻。

免許を持っていれば「車は凶器になり得る」と注意を受けるものだが、まさに、「単なる車」を兵器として使うサイファーの戦い方。こんなに車の量で圧倒されたのは映画『ブルース・ブラザーズ』以来ではないかと思う。

そして、それが終わると、もう一段階ヤバいサイファーからの攻撃が待っている。

まさに、街を最大限に活かしたスマートな攻撃で、頭で「なるほど!」と唸りながら、目でアクションシーンを楽しめる最高のシークエンスになっている。

 

そしてもちろん、クライマックスの氷原でのカーチェイスも面白い。

正直、『ワイルド・スピード MEGA MAX』のクライマックス、飛行機とのチェイスに比べると、少し新鮮さが薄かったが、今回は「氷上」という設定を上手く活かしたカーアクションになっている。

「地面が割れる」というこのシーンの特徴を活かしながら、時にはそれに車を壊され、時には敵の車を破壊する、というハラハラする応酬がスピード感満載で描かれている。

そして、本作のクライマックスは、この氷上のカーチェイスと、サイファーの乗る飛行機、そして、チームと別行動をしているドミニクの3つの場面を行き来する構成になっている。

アクションシーンを展開しつつ、あるキャラクターの行動が次の展開の条件になっていたり、その展開によってチームがピンチを脱することができたり、アクションとサスペンスを物凄く上手く織り交ぜた展開になっている。

アクションシーンによってストーリーの進行が止まり、退屈になってしまう映画もある中、アクションシーンも大迫力で見せつつ、同時にストーリーの進行もサスペンスフルに見せる巧妙さには、ほとほと感心する。

しかも、そのサスペンスフルな展開が、そのままドミニクとチームとの関係回復のドラマにもなっていたりして、もう、「すげぇ」とつぶやくしかない。

デッカードが仲間に

前作で最強の敵であったデッカードが仲間に加わるのも本作の魅力。この少年漫画的なワクワク展開は、このシリーズの雰囲気ととても相性がいい。

しかも、前作でデッカードと因縁があるドミニクとホブス、この2人との絡め方がまた良い。

警察署で殴り合いのケンカをして決着が中途半端なホブス、ラストで銃を捨てて素手で闘うというヤンキー展開に興じたドミニク。その前作のストーリーを上手く引き継いだ掛け合いが見事。

 

前作で深い監獄の中に閉じ込められていたはずのデッカード。それに比べると本作ではゆるめの刑務所に移されている。そのあたりはツッコまずに見ておくのが良いだろう。

刑務所のシステムがダウンし、囚人と刑務官が大乱闘を繰り広げる中、脱走を試みるデッカードとそれを追うホブス。ここでこの2人の最強ぶりが凄まじい。

刑務官も他の囚人も、この2人の100分の1くらいしか戦闘力がない。身軽で忍者のように出口へ走っていくデッカードと、超人的なパワフルさでブルドーザーのようにデッカードを追いかけるホブス。

しかし外へ出てみると、実は秘密機関のミスター・ノーバディが待っていて、「思ったより遅かったな」と言われてしまうコミカルさもまたいい。

 

そんな経緯でチームに入ることになったデッカード。

本作では、デッカードを好ましいキャラクターにするための描写も多く見られる。

サイファーからの襲撃の際ラムジーをかばったり、手がかりを失った後、最初の対処法を考えたり、ホブスの調査で意外な過去が明らかになったり。

仕事もできるいいヤツ、という展開を噛ませながら、最後は赤ん坊を守って闘うという、どう考えても好感度アップするしかないポジションを獲得している。

クライマックスも活躍がキーになっていて、「手強い敵が味方になると、こんなに心強いのか」と思わせる良いキャラクターになっている。

レコメンド作品

デジャヴ

ビッグアイで街中の映像を走査しながら調べる手法が、この映画で使われるものと似ている。

この映画は、ビッグアイ的な装置で捜査をすることがメインに描かれているので、あの追跡シーンの楽しさをもっと濃く味わいたいなら、この映画はオススメだ。

 

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