映画

ナイスガイズ! -へなちょこと粗暴な2人が巨悪を倒すコミカルなバディ・ムービー-

概要

ロサンゼルスで私立探偵を営むシングルファーザーのマーチは、ある老婆に依頼されて行方不明のアメリアという女性を探していた。同じ頃、示談屋のヒーリーは、自分を探す人を止めるようにアメリアから依頼を受ける。

ヒーリーはマーチの家を訪ね、問答無用でマーチをボコボコにし、腕まで折って捜査をやめさせる。マーチは老婆に捜索の終了を提案するが、老婆は承諾せず、さらに探偵料に誘惑され、結局捜査を続けることになってしまう。

マーチにアメリア捜索をやめさせたヒーリーだったが、アメリアを探す他の男たちに自宅を襲撃される。事の重大さを察したヒーリーは、マーチと組み、アメリアの捜索を続けることに決める。

 

それまでマーチが調べていた情報を手がかりに捜査を続け、アメリアがある映画製作チームの一員だったことを知る。2人はその映画の監督が開くパーティーに忍び込みアメリアを探す。そこでヒーリーを襲った男たちと再開し銃撃戦になる。アメリアもそこで見つけるが、男たちに追われ、マーチらと会う前にアメリアは逃げてしまう。

パーティーの後、2人は事情聴取を受ける。そこにアメリアの母で、司法省に務めるジュディスが現れ、娘を助けるように2人に依頼する。

2人は引き続き捜査を進め、まったくの偶然アメリアに遭遇し、彼女を保護する。アメリアは、ジュディスが汚職をしており、彼女らの制作した映画は、その汚職を暴露する内容になっていると2人に話す。

2人はアメリアを信じず、ジュディスの秘書に彼女を保護したと連絡する。すると新しい仕事をお願いされ、そのために2人で依頼の場所へと出かける。しかしこの仕事は、2人をアメリアから引き離すための嘘っぱちであった。

 

ジュディスは自分の汚職を隠すため、この映画のフィルムを追い求めていた。マーチとヒーリーは、フィルムがモーターショーで上映されることを見抜き、会場へと向かう。同じ頃、ジュディスの部下たちもフィルムを奪うため会場へ。

そこで一本のフィルムを巡って、2人の探偵と、ジュディスの雇った殺し屋たちの争奪戦が始まる。

みんなのレビューまとめ

高評価

  • 社会派探偵物・凸凹コンビ・ブラックなドタバタギャグ、それぞれが絶妙に噛み合ったストーリーが面白い
  • いかにも映画っぽい演出(オープニングなど)が観ていてワクワクする
  • 主人公2人と、可愛いヒロインの関係性が見ていて心地いい

低評価

  • 事件や要素が多すぎて、全体のストーリーが把握しづらい
  • コメディ要素のせいでサスペンスにハラハラできない。または、社会派な内容があるせいでドタバタコメディを不謹慎に感じてしまう
  • ドラマとしては深みが足りない

ナニミルレビュー

ナイスな2人とキュートな1人

この映画は、静かでジェントルマンだが粗暴なヒーリーと、ヘナチョコだが優しく意外と頭が切れるマーチの、探偵バディ・ムービーである。

とにかく、この2人のキャラクターの相性がとても心地よい。良い意味でサバサバしていて、友人のようでもあり、ただの仕事のパートナーのようでもある。

ヒーリーはのっけからマーチの腕を折るが、マーチは「それが仕事だ」と言ってヒーリーを責めない。そしてヒーリーも2人の殺し屋に襲われた時、「俺を殴るのはお前たちの仕事だから責めない」と話す。

この妙にドライなキャラクターたちの感性が、この映画のコミカルで、どこか優しい雰囲気と相まって、とても気持ちよく見られる映画に仕上がっている。

 

そして、マーチの娘ホリーの存在も、この映画の心地よさの大きな要因になっているのは疑いない。

ホリーは汚い言葉も使い、電話の受話器も放り投げるような、少しやんちゃな感じの女の子だ。いざとなったら銃を構え、銃弾が飛び交う中、殺し屋から目的の物を奪ってしまうような勇敢さも持ち合わせている。

と同時に、さっきまで自分を殺そうとしていた殺し屋が車に轢かれると、彼を助けるため助けを呼びに行ったり、ヒーリーの殺人を良しとせず、人殺しをやめるよう彼を説得する、ピュアなハートを持っている。

父のマーチよりしっかりしているところもあれば、子供らしい好奇心でマーチを困らせたりもする。だらしないマーチに悪態をつくが、マーチが活躍すると嬉しくてにやけてしまう。

ラフで勇敢なところと、ピュアで可愛らしいところ。この両面を持ったホリーというキャラクターの良さは、この映画の見ドコロの1つと言って問題ない。

ブラックな雰囲気と間の抜けたコミカルさの絶妙なバランス

主人公たちが戦うのは政治的巨悪であり、バンバン人も死ぬし、流血もあるし、少しだけグロい死体が出てきたりもする。さらにポルノ業界も出てきて、ちょっとイリーガルな香りがするパーティーも描かれるし、母親が娘の殺しに間接的に関わっているという、なかなかブラックなストーリーである。

だが、映画全体的な雰囲気としては、コミカルで痛快な楽しさのある映画になっている。

 

この楽しさは、マーチのへなちょこさとヒーリーの余裕を感じさせる振る舞いにある。

最初にマーチがヒーリーに襲われるシーンも、普通に見ると怖いシーンといえば怖いシーンなのだが、マーチのへなちょこっぷりと、無駄な抵抗の力なさがこのシーンのトーンを間抜けなものにしている。

ヒーリーは殺し屋2人に襲われても、部屋で魚の心配をし、自分を脅す2人に説教をしたりしている。

クライマックスで女殺し屋をホリーが気絶させるのだが、マーチがこの殺し屋の頭の下にクッションを敷き、頭を撫でるシーンがあったりする。

 

かなり危機的なシーンもたくさんありつつ、どこか飄々とした態度で危機を切り抜ける2人。しかし、超人的というわけではない、というバランスがちょうどいい。

例えば、あるホテルに探しているアメリアがいるという情報を掴み、その階までエレベーターで昇っていくが、殺し屋がボディガードを殺しまくっているホテルの廊下を見て、エレベーターから降りず、そのまま1階に戻っていくシーン。

2人は凄腕の殺し屋に立ち向かえるほどの人間じゃない。

そういう人間味がありながら、危険の中でもどこかとぼけた余裕を感じさせる振る舞いで危機を乗り越えていく感じが、見ていて楽しい。

コメディリリーフとしてのライアン・ゴズリング

この映画の軽快さに通じる部分だが、ライアン・ゴズリングのコミカルな演技がドハマリしているのも、この映画の見ドコロだろう。

マーチはへなちょこで、しかもしょっちゅう酒を飲んで酩酊している。

トイレで大をしているときにヒーリーに話しかけられ、銃を構えてビビリまくっているシーンは最高のギャグシーンになっている。

ポルノ監督のパーティーに行ってはヘロヘロになって女を追いかけ、建物の2階から落ち、千鳥足で落とした銃を探し、たまたま死体を見つけて、驚きすぎて声が出ない。この酔っぱらい演技もたまらなく面白い。

しかし、娘の危機になると目つきがキリッとして、車を奪って助けに駆けつけるところはカッコいい。しかし運転がうまく行かず木に衝突してしまう。

このダラシなさとカッコよさのギャップで毎回笑ってしまう。

 

この映画は、全体的に両極のギャップの見せ方が素晴らしいんだと思う。

ダラシなさとカッコよさ、勇敢さとキュートさ、粗暴さとジェントルマンな振る舞い。そして、重めな話にコミカルな演出。

映画的な謎解きの楽しさがあるストーリーも、それぞれのキャラクターも、そのキャラクター同士の関係性も、どれも素晴らしく、面白い映画になっている。

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