映画

クリミナル 2人の記憶を持つ男 -粗暴なスパイの初めての感情-

概要

CIAエージェント:ビルが任務中に死亡する。彼は、アメリカ軍の核を乗っ取る能力を持ったハッカーの居場所を知る唯一の人物であり、手がかりを失ったCIAは大きな問題に直面する。

手がかりを取り戻すため、CIAはビルの記憶を死刑囚ジェリコの脳内に移植する手術を行う。記憶が持つのは48時間。CIAはその間にハッカーの居場所を突き止めようとジェリコを捜査に同行させる。

ビルの記憶を移植されたジェリコだが、元来は粗暴な死刑囚。隙をついて逃亡する。しかし、ことあるごとにビルの記憶がフラッシュバックし、だんだんと正義に目覚めていく。

みんなのレビューまとめ

高評価

  • テロリストを追うサスペンス映画の中に、悪人が正義に目覚めていくドラマが描かれていて見応えがある
  • 派手すぎず、落ち着いた雰囲気でリアリティがある
  • 記憶と人間性について考えさせられる

低評価

  • アクションもサスペンスもいまひとつ盛り上がらない
  • 敵役がぼんやりとしており、犯罪捜査モノとして物足りない
  • CIAの振る舞いや、主人公の行動などにご都合主義的な展開が多い

ナニミルレビュー

オススメ度:B

こんな気分の時オススメ:ちょっとSF設定が入ったサスペンス映画が観たい時。落ち着いたアクション映画が観たい時。人格が変わっていくキャラクターを観たい時。

断片的な記憶を使った謎解き

テロリストを倒す手がかりを唯一持ったCIA諜報員が殺されてしまった。そこで、彼の記憶を凶悪犯のジェリコに移植し、情報を抜き出そうとしたのが事件の発端。

基本的には、移植された不安定な記憶を使って、テロリストの手がかりを追っていくストーリーになっている。

とはいえ、もともと凶悪犯のジェリコ。捜査に協力する気がまったくなく、現場から逃げ出して好き勝手に行動する。

まったく協力する気のないジェリコとCIAの攻防。テロリストからもCIAからも追われつつ、記憶の中の大金を探すジェリコ。

スパイ映画ながら、スパイ自身が敵なのか味方なのかよく分からない、というところが特徴的。それぞれ目的の違う三者の三つ巴の展開になっている。

ジェリコの粗暴なキャラクター

普通の人間にある感情が欠落しているジェリコ。

何のためらいもなく自分が乗ってる車をクラッシュさせたり、カフェや図書館で豪快にマナー違反をしたり、たむろする若者をバタバタ倒したり。後先考えず、周りの目も無視する姿が、だんだん魅力的に見えてくる。

この粗暴な特性が、クライマックスでの彼の決断や、最後の銃撃戦でも活かされている。

最後、ジェリコは人質を助けるためにテロリストの前に現れるのだが、スパイ映画らしい慎重さが1ミリもない戦い方になっているのが素晴らしい。

当たり前のように正面から突っ込んで敵を倒す。黒幕の前で弾切れになってしまい、最後は銃を投げつける。テレビを叩いて直そうとするオッサンのようなテキトーさで黒幕に対峙するジェリコ。

ジェリコの魅力は、全体的に動作がドッシリしていること。俊敏さはないのだが、動きに迷いがないので最強感があってカッコいいキャラクターになっている。

だんだんと変化する人格

謎解きやアクションに加えて、この映画の見ドコロになっているのは、記憶を移植されたことでだんだんと変化するジェリコの人格。

移植元の男の記憶を通じて、ジェリコは家族との記憶や、妻や娘に対する愛情や共感を体験し始める。

この体験を通じて、だんだんとジェリコの考え方や態度も変わっていく。

ここには当然、悪人が善人になり人と打ち解けていく面白さがあるし、同時に、凶悪さとはどこから来るのだろう、とふと考えさせられる。

凶悪さは、「凶悪さ」というものがあるのではなくて、感情や共感が欠落した行動の結果に過ぎないのかもしれない。

たしかにジェリコは自分勝手だが、誰だって多少は自分勝手だ。しかし、他人に対する感情や共感があるから、普通の人は突然列に割り込んだり、顔面をパンチしたり、人を殺したりはしない。それがなかっったら誰だって凶悪になるのかもしれない。

そしてジェリコは、自分の選択として感情や共感を捨てたわけじゃない。では、ジェリコの凶悪さの責任はどこにあるんだろう。

あまり細かく議論するには、このストーリーは大味かもしれないけれど、そんなことを考えるきっかけになる映画だと思う。

レコメンド作品

フライト

善悪の境で苦悩する主人公を描く作品

ワイルド・スピード ICE BREAK

仲間の裏切りを乗り越えてテロリストを追うアクション映画

オール・ユー・ニード・イズ・キル

特異な能力によって使命感を獲得してく主人公を描く作品