概要
文明崩壊後の世界で水源を独占し独裁政治を行うイモータン・ジョー。イモータンの軍を率いていた隊長フュリオサはイモータンに反旗を翻し、監禁されていた女性5人を連れて脱走する。同じ頃、元警官のマックスはイモータンの一軍に襲われて捕まり、イモータンらのフュリオサ追跡に強制的に同行させられる。
追跡劇の途中でフュリオサらとイモータンらは共に砂嵐に巻き込まれ、その機に乗じてマックスはイモータンの軍から逃げ出す。マックスは近くで休憩していたフュリオサたちを制圧し、フュリオサたちの脱走用のトラックに乗って逃げようとするが、フュリオサしか運転できない仕様になっており、結局は逃走に同行することになる。
フュリオサは、自分の故郷を目指して車を走らせるが、イモータンの軍勢が背後から迫ってくる。イモータンらの攻撃に対抗する中、マックスとフュリオサたちの間に信頼関係が醸成されていく。
レビューの印象
高評価
- 最初から最後までクライマックスであるかのような、ハイテンションで怒涛の展開がサイコー
- ディストピアな世界観を描く映像が素晴らしく、その中で繰り広げられる工夫の凝らされた造形、カーチェイス、バトルに見応えがある
- 抑圧され、性的搾取を受ける女性たちの反撃というテーマが現代的
- シンプルな設定だが、ストーリーがしっかり展開を踏んでいて面白い
低評価
- ひたすらカーチェイスをしているだけで単調。派手なアクションにも飽きてくる
- 資源がないという設定のわりに、資源を無駄遣いするかのような過剰なアクションが多く世界観に乗れない
- キャラクターの設定を説明するシーンや心情描写が少なく、感情移入しにくい。特にシリーズ1、2作目に比べるとマックスのキャラクターが弱い
ナニミルレビュー
例に漏れず、とても楽しめた。
世界観にしてもストーリーにしても、シンプルさゆえの強さがあって、造形もよく作り込まれているので世界観にどっぷり浸かれた。
深い内容だとは思わないけど、しっかりとメッセージ性はあって、極端な言い方をすれば絵本を読むような楽しさがあった。現代になって、全く新しい神話を見せられているようなワクワク感。
車や武器は近現代のものでありながら世界観が完全に中世、というギャップも面白い。そうでありながら、搾取される女性や、カリスマ独裁者に騙された青年など、今っぽいテーマも含まれている。
映像的に楽しいアクションを優先することで、資源の枯渇したディストピアという設定をないがしろにするようなところもあるけど、そこの整合性を求めるよりも、この映画のハイテンションに乗っていく映画だと思って観たので、そこまで気にならなかった。
キャラクターが深く掘り下げられているという感じではないけれど、このストーリーを駆動するのに必要な量の情報は描かれている。キャラクターを見る映画というより、やはりストーリー展開と世界観がメインの映画という印象。その中でもちゃんとバディ描写(狙撃を任せるところなど)や信頼が形成されていく心地よさはあるので、不満はなかった。
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