映画

イコライザー -静かに計画し真顔で巨悪に立ち向かう優しいおじさん-

概要

元CIAエージェントのマッコールは、ホームセンターで働き、周囲にも慕われる人間として穏やかに過ごしていた。

ある夜、顔見知りの娼婦テリーがマフィアに手酷く扱われているのを目撃し、彼女を救うためにマフィアと交渉。マフィアはマッコールの言葉を嘲笑い、交渉は決裂。非情なマフィアからテリーを救うため、マッコールは1人で部屋にいたマフィアを全員殺してしまう。

マフィアのボスは、この一件を調査するためテディという男を派遣する。テディは着実に捜査を進め、じりじりとマッコールに迫る。

みんなのレビューまとめ

高評価

  • 主人公の圧倒的強さが爽快。またDIY精神溢れる闘い方も面白い
  • 正義感の強い主人公による勧善懲悪なストーリーが王道で良い
  • アクションシーンが気持ちいい

低評価

  • 陳腐でよくあるストーリー
  • 主人公が強すぎてつまらない、この主人公にしては敵が弱すぎる
  • 暴力による正義自体に乗れない

ナニミルレビュー

高潔のヴィジランテ

ホームセンターで働く不眠症のロバートは、元諜報員の最強のヴィジランテ。ひとりの娼婦を守るために、巨大な犯罪組織を相手にひとりで戦い始める。

と要約すると、ベタな設定のアメコミ・ヒーロー物っぽい。実際、変身せず、超能力を使えない以外、やっていることはデアデビルなんかと近いように思う。

しかし実際観てみると、全体的な映画の雰囲気は静かでしっとりしていて、主人公のロバートはコミック的というより、僧侶っぽい雰囲気すら漂わせる気のいいおじさん。

特徴的なのは、彼の戦い方。

ロバートは犯行現場に駆けつけて、いきなり殴りかかったりすることはしない。

犯行が起こったあとで、犯人のもとへ行き、静かに会話をする。そして、そこで改心するかどうかの選択をまず迫る。

当然、悪役は誰も改心しない。

そこでロバートは闘う。無表情で、淡々と敵を倒していく。

どこか超然としているが、仕事先での同僚とのコミュニケーションを見ていると、普通に愛嬌のいいおじさんなのがまたいい。

単にスーパーマンなキャラクターであるよりも、愛嬌がある一面を持っている方が、逆に余裕を醸し出してより魅力的なキャラクターになっている。

同僚であっても娼婦であっても優しく接し、悪人相手であっても最低限の礼儀を持って接する。そして強く、頭が切れる。

まさに有能で高潔な人物。そして、そんな彼がキレて戦う姿が面白くないわけがない。

手際いい格闘、罠、即席武器

ロバートは、異常に規律正しい男である。それは、彼の日常生活の中から、格闘の中にまで通底している。

最初の格闘シーン。敵に囲まれた部屋で鍵を締め、相手の体、部屋の状況を着々と分析。自分の動きをイメージし、動き始めたら淡々とそれをこなしていく。

この、着々と準備して実行していくさまが、彼のありえない強さを印象づける。

そして格闘だけでなく、身の回りにあるものを武器として使う工作の楽しさもある。

目的に対して、条件を見極め、最適解を出して動けるロバート。映画のラストまで、無駄な動きがなく、無駄に見える動きにも意味がある。

映画の中では何度かロバートの格闘シーンが見られる。

彼がどういう状況で、何を使って、どう敵を倒すか。毎シーン毎シーン、敵を倒す興奮が高まっていくに違いない。

始動したが最後。止まらない容赦なさ

アクションが多い映画のわりには、静かな雰囲気がある。この映画の雰囲気が超絶としたロバートのキャラクターとも合って、とても心地よく見ていられる。

ロバートが考えを巡らせている時、敵と対峙する直前、スローモーションがよく使われている。これによって静かさと集中が表現され、緊張感が高まる。

各見せ場でも、溜めがあってから疾走、というのがアクションシーンの流れになっている。

いきなり襲いかからず、相手との会話を挟むのも溜めになっている。クライマックスの戦闘でも、警戒しながらゆっくりと近づいてくる敵を待ち伏せて一気に倒す、という展開を重ねて緊張感を高めている。

この、「溜めからの疾走」という各アクションの演出が、ストーリー全体が描出するロバートのキャラクターと共鳴している。

映画が始まってから、最初の格闘シーンまで、結構な時間がかかる。その間、ロバートは悪を目にしながらも直接手を出さず遠巻きに見ている。

それが最初の格闘以降、一旦動き出したら止まることなく巨悪もチンピラもボッコボコに叩き始める。

そして、ロバートを追い回していた敵を倒してクライマックス。一件落着か、と思っていると始まる第二章。

本当に巨悪を倒すまで、加速を止めずに走り切るロバート。

あまりの速さにカメラが追いつけず、観客が見られるのは倒された敵の残骸だけ。

このシーンを見ると、ロバートのあまりの強さにきっと笑ってしまうだろう。

 

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