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ナニミル

映画

ジョン・ウィック -単純明快なストーリーとスタイリッシュアクション-

  • 監督:チャド・スタエルスキ,デヴィッド・リーチ
  • 公開年:2014年
  • 時間:101分
  • 製作国:アメリカ

作品タグ▼

インフォメーション

2010年代約100分アクションクライム

モチーフ

ヒーローリベンジ戦い組織犯罪裏稼業

テーマ

信念憎しみ

トーン

エキサイティングコミック調スリリング幻想的物寂しい

気分

痛快達成感

注意

暴力流血

キャラクター

カリスマピュア一匹狼優しい手際が良い豪快マフィア殺し屋助っ人壮年被害者隠れた凄腕恨み

シチュエーション

ゲスな敵一騎打ち反撃抗争・紛争格闘殺人銃撃戦仲間の死傷心圧倒的不利コミュニティプロ対プロ満身創痍

環境・時間

北米アンダーグラウンドホテル施設秘密機関街数日

その他

スター寓話

概要

最愛の妻に先立たれ、失意の中で暮らすジョン。ある日、給油中にマフィアの息子に目をつけられる。マフィアの息子は夜中にジョン宅に侵入。彼を気絶させ車を盗む。

息子の盗みを聞いたマフィアのボスは激昂。ジョンは引退した凄腕の殺し屋であり、息子を殺しに来るだろうと悟る。ジョンが着々と準備を進めると同時に、マフィアは人員を集め息子を警護し、さらに殺し屋を雇ってジョンを狙わせる。

ジョンは単身、マフィアたちが警護を固める裏社会の娯楽施設へ侵入。敵を倒しながら、息子に近づいていく。

レビューの印象

高評価

  • 銃と格闘を合わせた心地よいアクションシーン
  • 非常にシンプルな復讐劇のストーリーと華美な演出
  • 殺し屋ネットワークの存在する世界観

低評価

  • ツッコミどころが満載(主に「なぜすぐ殺さない」系)で大味なストーリー
  • ジョン・ウィックの凄さがイマイチ伝わらない。強さや知性が中途半端
  • 主人公の復讐心に共感しづらい

ナニミルレビュー

基本的にアクションと世界観を見せる映画だと感じた。ストーリーは、それらを見せるためのベースであって、ストーリーを真剣に楽しんでもらおうという感じはしなかった。

例えば、これはよくツッコまれているが、復讐の原因が犬殺害と車泥棒なのは、ストーリーとしては弱いと感じる。これに対し、「犬だって大事だ」とか、「あの犬は亡き妻の贈り物なのだ」という反論もあるのだが、冷静に考えて、だったらそもそも「妻が殺されて、その復讐」というストーリーにすればいいのである。

ストーリーにぐっと没入させたければ、映画冒頭で妻が殺され、その復讐のためジョンが殺し屋復帰、としたほうがもっとシンプルで分かりやすい。

しかし、なぜかこの映画は、妻は病死で、復讐の原因を別の所に作ってある。これは単に謎である。でもそうしてあるのだから、そこには理由があるのだろう。

この映画のラストシーンは、満身創痍のジョンが犬を連れて歩くシーンである。つまり、「犬と殺し屋」という描写の面白さというか、哀愁感というか、そういうキャラクター性、そういう世界観が大事なんだ、ということだと思う。

ドラマとしては、妻は殺されていたほうがドラマチックだが、世界観としての「犬と殺し屋」を強調するために、ドラマとしては弱く、またツッコミどころになってしまっても、復讐の原因は犬でなければいけなかったのだろう。

やはり、生きるか死ぬかのレベルでボロボロになったジョンが、どうにか傷を塞いで、ギリギリ生き残ったあとに、そのまま飼い犬を選定する流れは、さすがに真面目に見ていたらバカっぽい描写過ぎる。

妻にもらった犬には必然性があるが、犬の入ったケージが並ぶ室内で、なぜジョンがその犬を選んだのかには必然性がない。つまりジョンは買い物をするかのように犬を選んでいる。死闘を終え傷だらけの深刻な状態で、ウィンドウショッピング的に犬を選ぶ描写があるのは、どう考えても場違いで変だ。

でも、この映画はそういう映画なのだ。なので、ストーリーや、人間の内面やドラマについて云々するのは、ちょっと違うのではないかな、と思う。

この映画は、薄っぺらい内面や、ご都合主義的展開があっても許される映画だと思って観るべき映画なのではないか。

じゃあ、何を見るのか。

当然、アクションシーンがまずある。そして、殺し屋の秘密機関があるコミック調の世界観。分かりやすい敵味方の構図や人間関係。誰からも一目置かれるジョン・ウィックのカリスマ感などなど。

例えば、ダンスを見るとして、「このダンスにはドラマがない」「あの振り付けからこの振り付けに変わるのはストーリー的に変だ」とか言わないと思う。ダンスとして凄ければ、良いもの見たな、と思えるだろう。

この映画はそういう映画で、アクションや、キャラクターたちの立ち居振る舞いを見て楽しむ、ダンス的な映画なのだろう。だから振り付けとして、ラスト・ダンスは犬のリールを引くボロボロのジョンでなければいけなかったのだ。

個人的には、メダルのような独自通貨が流通している裏社会の描写は面白かったし、アクションも楽しかった。マフィアが自分の息子にキレるシーンや女殺し屋が処刑されるシーンのような、ケレン味たっぷりのシーンが多いのも良かった。

ただ、大きな問題だと思ったのは、ジョンがそれほど強く見えないところだ。

わりと何回もピンチに陥っていて、あんまり凄い殺し屋に見えなかった。隠密で行動していたところも比較的すぐ見つかってしまうし、せっかく敵に気づかれていない場面でも正面から銃を撃ちながら登場し、普通に反撃されて捕まったり(教会のシーン)、あんまりプロ感がない。

序盤、「ジョン・ウィックに手を出したらヤバい」という事実が、周囲のキャラクターたちの、マフィアの息子に対する反応によって積み上げられていく。また秘密組織の中でも、ジョンはやたら一目置かれていて、そういう描写によって、ジョンのカリスマ感が積み上げられていく。

しかし、ストーリーが進むと、前述のようにわりと頻繁にピンチに陥っていて、ジョンがコミュニティの中で恐れられている説得力が薄まっていく。

一応、引退して5年ほど経っているから、そのせいかな、と納得できなくもないけれど、であればせめて、キャラクターの誰かに「腕が落ちたな」的な嫌味を言わせてほしかった。

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投稿日:2020-09-02
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