映画

イントゥ・ザ・ストーム -竜巻に魅せられた男の夢、竜巻で結ばれる家族の絆-

概要

竜巻発生の予報が流れる日、竜巻ハンターのピート率いる撮影チームは、耐竜巻車両タイタスに乗って、ある田舎町の道を走っていた。ちょうど同じ日、その街の高校の卒業式が予定され、高校教師のゲイリーは天気を気にしながら学校へ向かう。

ゲイリーの息子で卒業生のドニーは、卒業式の撮影をする予定だったが、弟トレイにそそのかされ、卒業式をすっぽかして同級生のケイトリンと2人である工場へ課題の為の撮影に行く。

卒業式が終わる頃、町は大きな竜巻に見舞われる。学生は高校へ避難するが、ドニーがいないのに気付いたゲイリーは、ドニーの弟トレイから事情を聞き、トレイと共に工場へ向かう。しかし、最初の竜巻はまだ序章に過ぎず、ドニーを探す2人は、次から次へと竜巻に襲われる。

ドニーのいた工場も竜巻に襲われ、壊れた工場の中でドニーらは生き埋めになってしまう。さらに運悪く排水管が壊れ、だんだんと空間に水が溜まってくる。

一方、竜巻ハンターのピートらは、絶好の機会と竜巻を追いかける。ちょうどゲイリーらの車が吹き飛ばされた現場に居合わせ、ドニーのいる工場までゲイリーらを同乗させることになる。

あまりの竜巻の凄まじさに、ピートの撮影チームも結束がなくなりバラバラになってしまう。刻々と水に沈んでいくドニーたち。そして避難所である高校すら吹き飛ばしてしまうような前代未聞の竜巻。

竜巻を追いかけたいピートと、息子を助けたいゲイリー。それぞれの目的のために災害の中を駆けていく。

みんなのレビューまとめ

高評価

  • 巨大ハリケーンを目の前にする臨場感がすごい
  • ディザスターと同時に複数の人間ドラマも描かれ、見応えがある
  • 竜巻ハンターの執念が熱い

低評価

  • 災害が小規模で期待外れ
  • ストーリーがテンプレ通りで見飽きた
  • 複数の視点を描くことで、それぞれが浅く感じる

ナニミルレビュー

オススメ度:B

こんな気分の時オススメ:しっかりドラマがあるディザスター映画を観たい時。気象による災害にまつわるストーリーを観たい時。何かに取り憑かれたキャラクターが観たい時。

良い点!

竜巻を経験したかと思えるような映像がとにかく凄い。

また、「映像を撮影する」という行為を上手くドラマに取り込んで使っているところが面白い。ピートの映像は夢への思いであり、ドニーは家族への思いを映像に託し、YouTuberはコメディリリーフとして活用されている。

なにより、「25年後の自分へ」というビデオメッセージが、映画のラストでちゃんと回収されているところが素晴らしい。いや、まさにディザスター映画を観た直後ってこういう気持ちになるよね。

単にフッテージを使って映像的に一工夫しているだけでなく、それがちゃんと物語的機能を果たしていて、かつ観客へのメッセージとしても効果的に使われているのが良い。

そして、ディザスター映画に期待する以上のストーリーになっていたので、その点も満足度が高い。

イマイチな点・・・

これは、ストーリーが結構しっかりしているがゆえなのだけど、ドニーの捜索においてトレイのアイデアでどうにかなる、という展開が連発されるところに、やや不自然さを感じる。

とはいえ、このトレイの活躍は、ゲイリーがトレイを見直すきっかけになっているので、単なるご都合主義ではないわけだけど、ちょっと気になる。

あと、ドニーのケータイの電話が都合よく入ったり、大量の住人の避難はあんなにスムーズに行かないだろうなぁ、などなど、ちょっとしたロジック不足やご都合主義はところどころにある。

しかしこれも、悲劇でありつつスッキリとした鑑賞後感を得られるこの映画において、上手くリアリティをコントロールした結果なんだろうとは思う。

フッテージで体感する竜巻の恐怖

とにかく、竜巻に巻き込まれる恐怖感が凄い。

映画冒頭は、竜巻に遭遇し、逃げ遅れた若者たちのケータイで撮影された動画から始まる。

この映画は、いわゆるファウンド・フッテージ物ではないが、それぞれのキャラクターがカメラやケータイ、アクションカムなどで撮影している映像が、多用されているのが特徴的だ。

竜巻ハンターのピートらが撮影する映像を始め、カメラギークのドニーが撮影する映像、その弟トレイが撮影する映像、それから、バカなYouTuber2人が撮影する映像などが、ストーリーの各所で地の映像と上手く織り交ぜられている。

この主観映像で見る竜巻が凄まじく、「これ、外に出たら銃弾の中を歩くぐらいの危険があるな」というのを直感的に理解できるぐらい凄い映像になっている。

恐らく、小石が飛んできただけでも運が悪ければ頭に当たって死んでしまうような強風。その強風が、車を吹き飛ばし、電柱を倒し、木を引っこ抜いている。

そして皆、建物の中に避難するわけだけど、竜巻がぶわーっと迫ってきて、目の前の建物を飲み込み、天井から壁からザクザク解体していってしまう。「いや、これどこに避難しても・・・」という現場にいるかのような恐怖感が襲ってくる。

と同時に、客観的な映像で竜巻を映し、これがどれだけ巨大か、走ってる車がどれだけ小さいか、という映像も見せてくる。

主観、客観を織り交ぜながら、竜巻のヤバさ全開のど迫力映像になっている。

絡みあう夢と家族のストーリー

ディザスター映画にしては、ストーリーがわりとちゃんとしているのもこの映画の見ドコロだ。

主要なキャラクターは、竜巻ハンターのピート、高校教師のゲイリーとその息子2人。

ピーとは夢追い人、ゲイリーらは家族、それぞれの物語を展開させている。ちょうど中間にいるのが気象博士のアリソンで、この2つの物語が上手く絡みあっていくストーリーになっている。

 

ゲイリーらは父子家庭で、ゲイリーとドニーはあまりうまく行っていない。トレイはやんちゃなキャラクターで、ゲイリーにそこまでよく思われていない。

しかし、ドニーの捜索の中で、トレイはかなり頼もしい働きをし、ゲイリーはトレイのことを見直していく。そして、ゲイリーは危険を顧みずドニーを救出に向かい、ドニーは死に直面して父に対する気持ちに素直に向き合う。

3人は、この災害を通して家族の絆を取り戻していく。

 

そして、竜巻に取り憑かれたピート。

チームの危険を顧みず竜巻を追いかけるピートに、チームは疲弊し、仲間は離れていってしまう。

ピーとも自分が立派な人間だとは思っていない。しかし、自分にとって最も重要なことから目を背けることができない。

そんなピートも、最後には自己犠牲で避難した人々を守る。そして、それに対しての残酷なご褒美かのように、彼は人生で最良の光景を目の当たりにする。

 

1つの災害の中で偶然行動を共にした2人。他のために奔走するゲイリーと、自分の夢を追求するピート。

この2つの物語の交錯によって、90分弱のディザスター映画でありながら、なかなかのストーリー的満足感を得られる映画になっている。

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