概要
周囲からのあらゆる誘いを断り、無気力に過ごしていたカールは、ちょっとした将来への不安から、出来心であるセミナーに参加してしまう。
このセミナーで立てた誓約をきっかけに、それまでの生活から一転、あらゆることに「イエス」と言い、あらゆる活動に参加し、あらゆる人々と交流する日々が始まる。
見る前ポイント
明るくポジティブな雰囲気。ライトムービー。楽しく前向きなキャラクター。
レビューの印象
高評価
- 人生に対して、前向きな気持ちになれる
- ストーリーの内容について、自分なりに考えさせられる
- どのキャラクターも魅力的で、いい気分で見られる
低評価
- 主人公がスーパーマンすぎて共感できない
- ご都合主義でツッコミどころが多い
- 予想した以上のストーリーやメッセージがない
ナニミルレビュー
もしもノリよく生きてたら
「もっといろんなことに挑戦する人生を送れたら」と誰もが一度は思うのではないだろうか。そして、思考実験してみたり。
その願望を、うまくストーリーにしたてたのがこの映画。
あまりに都合よく展開していく出来事にツッコミを入れたくなる人は観ない方がいいかもしれない。これはリアリティを描こうとした映画ではない。
この映画のストーリーで起こることは「最も最高な場合」である。そして、そのポジティブなエネルギーに浸りたい人にはうってつけの映画だ。
実際は、こんなに最高な場合はなかなかありえないとしても、でも、なにかに挑戦することで、こんな風に人生が面白くなっていくかもしれない、という希望を与えてくれるストーリーになっている。
映画を観終わったら、ひとつくらい新しいことに挑戦してみようかな、という気分になっているかもしれない。
イエスで一途なロマンス
この映画、実際観てみるとロマンスの要素が強い映画だ。
この映画のジャケットやポスター画像に、カールが1人で写っているものが多いせいか、なんとなく彼を中心としたヒューマンドラマかと思って観ていた。
しかし実際は、「イエス」の誓約をきっかけに出会った女性アリソンとのロマンスを中心とした、ロマンチックコメディという方がぴったりくる。
前妻との離婚を吹っ切れないカールが、アリソンに出会い、紆余曲折を経て恋が成就する、というのがメインストーリーだ。
実は、「イエス」によって手に入れられた多くのものは、「イエス」によっては手に入れられなかったアリソンの存在を際だたせるため前フリだったりする。
「イエス」と言い始めたことでカールの人生は充実し、多くの友人に恵まれ、仕事も上手くいく。その中で、ただ1つ「イエス」によって失ったがアリソン。
そして、傷心のカールは、誰にどういう態度を取ったか。
クライマックスでは、カールが何に対して、誰に対して「ノー」と言ったか、ということがキーになってくる。
上手くいくか失敗するかではなく、自分の意志で選択することが大事なんだ、という気持ちになるラストになっている。
ちなみに、アリソンを演じるズーイー・デシャネルは、かなり役にハマっている。個人的に『(500)日のサマー』よりも可愛く見える。
そして、明るく楽しく「こんな人と一緒にいたらすごく楽しそう」と感じさせてくれるジム・キャリーの素敵な彼氏感もグッドだし、そういう意味では、2人の幸福感溢れるデートシーンも大きな見ドコロだ。
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