概要
運び屋フランクは、車から20メートル離れると爆発する手枷をはめられてしまい、ある荷物を運ぶ依頼を受けることになる。走行中、その荷物の異変に気づいたフランクは、それが生身の女性だということに気づく。
レビューの印象
高評価
- 車から離れられない設定を生かしたストーリー展開やアクションが面白い
- 分かりやすい展開と、テンポの良さでアクション映画として楽しい
低評価
- ヒロインが魅力的でない
- 前作までと比べてフランクのキャラが変わっている
- ストーリーも設定も強引すぎて、ツッコミながら見てしまい乗れない
ナニミルレビュー
オススメ度:C
こんな気分の時オススメ:シンプルで分かりやすいアクション映画が観たい。
車から離れられない制約
本作は、これまでの2作に比べて、1番「運び屋」として働いているフランクが見られる。
それも当然というべきか、悪役のジョンソンに、車から20m以上離れると爆発する腕輪をつけられてしまうからだ。
この制約の中で、敵に監視されながら運び屋の仕事をするフランク。
映画中盤で、フランクを殺そうとしてジョンソンの部下が車を奪うシーンがひとつの見せ場になっている。
目を離した隙に走り去っていくフランクの車。腕輪が爆発しないように、自転車で車を追いかけるフランク。20m圏内から出ないように車を取り返すスリリングな展開になっている。
また、車ごと川に落ちて逃げる、というよくある展開もあるのだが、そこでも「車から離れられない」という制約の中、フランクの知恵が発揮される。
車と一緒に沈んでいると窒息してしまうし、かといって泳いで水面に登ると爆死ししてしまう。
ここでの車の使い方は、「そんな手があったのか」と驚くものになっている。
そして、ラストシーンは、電車で移動しながら取引をするたジョンソンたちを追い詰める展開になっている。
そこでも、車を遠ざけないようにしつつ、走る電車の中にどう乗り移って闘うか、というところが肝になっている。
中学生男子の夢
そもそも『トランスポーターシリーズ』は、いわば男子の夢を具現化したような映画である。
大量の敵をやっつける超絶強い男、カッコいい車、外国で隠居暮らし、そして女にモテモテ。
ストーリーや設定の緻密さよりは、こういった要素を味わうための映画と思った方が楽しめる。
1作目で見せていた規律正しいフランクの姿は本作にはなく、そんなことしてる場合かというタイミングでラブシーンが始まり、敵がフランクに仕事を依頼した理由もいまいち判然としない(途中で一回殺そうとしてるし)。
そういう意味では、シリーズを追うごとに話がテキトーになっている感は否めないのだが、ストーリーとのバランスを取るというよりは、見せたい要素をハッキリ見せるのがこのシリーズだと感じる。
2作目では格闘シーンや、アイコニックな敵ローラをかなり強調していたが、本作では何が見せたい要素として立ち上がってくるのか。
そこに注目して観ると面白いかもしれない。