映画

ザ・シューター/極大射程 -巨悪を正確に撃ち抜く快感と歯がゆさ-

概要

元軍人で凄腕スナイパーのスワガーは、ある事件がきっかけで軍を離れ、山奥で隠遁生活を送っていた。ある日、大統領暗殺計画が発覚したとして、プロとしての知見を狙撃計画の捜査のために役立てるようお願いされる。

渋々ながらも、愛国心から捜査に協力したスワガー。しかし、これは陰謀隠しのための罠で、スワガーは大統領暗殺未遂犯として、指名手配されてしまう。

みんなのレビューまとめ

高評価

  • 主人公の戦闘スキルが高くて、アクションが楽しくカッコイイ。武器の扱いもプロ感がある
  • 主人公の愛国心やバディの存在、敵との取引など、アクションの中にドラマ、サスペンスもしっかり描かれており見応えがある
  • 結末に少しひねりがあるのが、良い味付けになっている

低評価

  • ストーリーが王道、勧善懲悪で陳腐に感じる。暴力で制裁を下す内容も不満
  • 主人公が周囲の人間を利用しており、応援しきれない
  • 主人公が強すぎて面白味に欠ける

ナニミルレビュー

オススメ度:B

こんな気分の時オススメ:陰謀に巻き込まれる凄腕キャラクターを描いた作品が観たい時。悪い奴らを強い主人公が倒していく爽快感が得たい時。冷静で有能な主人公が観たい時。

正確な狙撃シーンの連続 

巨悪にはめられ、追い詰められた1人の男が、調子に乗って油断する敵をバタバタ倒していく痛快なストーリーになっている。

主人公のスワガーは凄腕スナイパー。当然、反撃計画でもスナイパーライフルによる攻防が見られる。

率直に言葉にすると語弊がありまくりだが、狙撃のシーンというのは、映像としてとても気持ち良い。

慎重に息を殺して狙う溜めがあり、発砲の衝撃があり、少し間があって着弾の血飛沫があがる。この溜め・発砲・溜め・血飛沫のリズムが、なんとも心地よい。残酷なのは百も承知だけど、これは素直な感想。

この映画は、そんな狙撃シーンの心地よさを全力で感じさせてくれる映像の連続になっている。

同時に、銃に付いているつまみを回したり、銃弾を込めたりするような、銃の操作も上手く描かれていて、専門的な機械をいじっているカッコよさも存分に味わえる。

 

圧倒的不利とサバイバル

スワガーは犯人に仕立て上げられその場で殺される予定だった。事件直後、敵から2発の銃弾を受けながらも、窓から逃げ落ちて助かり、そのまま逃走する。

敵の手回しで事件直後からすでにスワガーは警察に追われており、重症を負いながら逃げ、逃げながら傷の応急手当をしたり、お手製の点滴ツールを作って自分の命を救う。

このサバイバルシーンがストーリー序盤の山場になっている。

このシーンに限らず、スワガーが十分な装備や道具がない中で、使えるものを応急的に使って行動していくさまも、この映画の楽しさのひとつだ。

 

巨悪の多勢に対して、彼は命からがら逃げ出し、手元には何もなく、家にも帰れなくなってしまう。

このピンチの状況から、彼は持てる物を最大限活用しながら反撃を開始する。

まずは、元パートナーの婚約者サラから受け取った古いスナイパーライフル。「古いけど、正確よ。私が手入れしてたから」というセリフで、一気にこの武器の渋さが増す。

それに、空のペットボトルを銃の先につけ、サイレンサーとして最初の反撃を開始する。

そうして情報を集め、量販店で勝った物で作ったお手製武器で敵アジトの1つを襲撃。多勢に対して知恵と工夫で勝利する。

圧倒的不利の状態から、知識や能力で勝負に勝っていくさまは鉄板で面白い流れのひとつだ。

 

ゲスな敵と鉄槌

この映画の陰謀の裏にあるのは、アメリカのアフリカに対する搾取だ。

基本的には、スワガーが追ってを蹴散らし、自らの濡れ衣を晴らすことがメインのストーリーとなっているが、この搾取の構造がずっとベースに流れている。

この件の黒幕である上院議員は絵に描いたような腐れ議員だし、それの手下でスワガーをはめたジョンソン大佐も、罪を負わずにのうのうと生きている。そして、サラを襲って誘拐する敵も本当にゲスな男だ。

ここまで気持ちいゲス集団も最近なかなか見ないというぐらいゲスな敵たち。最後にどうなるのかはお楽しみ。

しかし、一箇所ドキッとするところもあって、スワガーと交渉しようとした上院議員が、「この国では国防長官が、「自由のためだ、石油のためじゃない」と言うと、大衆は嘘だと分かってるからこそ、何も言わない」と言う場面がある。

これは結構核心を突いていると思って、ドキッとする。

もちろん、悪役は成敗されるが、この映画のラストのような形で成敗されればいいわけでないのもまた事実。

凄腕スナイパーが巨悪を倒す良質なエンターテインメント作品ではあるが、同時に、社会問題に対して警鐘を鳴らすような雰囲気もある良い映画だ。

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