映画

ブラッド・ダイヤモンド -国際的な社会問題を王道のストーリーで見せる-

概要

舞台はアフリカ、シエラレオネ。

平和に暮らしていた漁師のソロモンたちの小さな村が、反政府組織のRUFに襲撃されるところから物語が始まる。

RUFは村を焼き、村人たちを殺し、虐待し、奴隷としてダイアモンドを採掘させる。

奴隷として働かされていたソロモンが偶然採掘したとんでもないサイズのダイアモンドを中心に、RUF、軍人、密輸人のアーチャーらが画策するサスペンスアドベンチャー。

みんなのレビューまとめ

高評価

  • 重めの社会問題を題材とした映画ながら、最後まで興味深く観られるストーリー
  • さまざまな問題と、さまざまな価値観の登場人物が登場することで、映画を観ながら自分なりに考えさせられる内容になっている
  • ドラマやサスペンスがしっかりしている

低評価

  • 現実的な問題を、エンタメに仕立てていることに問題を感じる
  • 主人公たちのアドベンチャーと、社会の歪みを両方描こうとして中途半端になっている
  • アフリカの描かれ方に違和感がある

ナニミルレビュー

オススメ度:B

こんな気分の時オススメ:社会派で考えさせられる映画を観たい時。アフリカの問題が描かれた作品が観たい時。社会通念通りではない生き方をする主人公が観たい時。

実は一攫千金のアドベンチャー映画

ソロモンはダイヤを採掘場の近くに隠したあと軍に逮捕され、アーチャーの口利きで釈放される。

自分勝手で手段を選ばない密輸人として登場したアーチャーがダイアモンドの存在を知り、それを手に入れようとソロモンに近づく。ソロモンは家族の情報を条件にアーチャーと行動をともする。

2人はダイアモンドを手に入れるため、RUFの陣地になっている採掘場まで危険な旅に出る。

 

ストーリー的には、隠された財宝を探すために、危険な旅路を行く王道アドベンチャーになっている。

また、真面目で実直なソロモンと、逞しく手段を選ばないアーチャーのバディ・ムービーの形式をとっているし、極悪なRUFに誘拐され洗脳されたソロモンの息子を救う人質奪還の要素も途中に挟み込まれている。

また、お互いに利用し合うアーチャーと協力者たちとの駆け引きの面白さもあるし、旅を通して自分勝手だったアーチャーが変化していく、ドラマも描かれている。

アフリカの紛争地帯が舞台で、かつ政治的な話も絡むようなテーマなので、観るべきだと思っても、やや敬遠する人もいるかもしれない。

しかし、ストーリーはエンターテインメントとして面白く展開していく形を取っているので、退屈そうだと思っているならその心配はない。少しでも興味があるなら、ぜひ見るべき映画だ。

 

消費社会の裏側

ストーリーはエンターテインメント的に作られているが、同時に悲惨な現実もしっかり伝えている。

残酷な描写は少なめとはいえ、ちゃんとストーリーに含まれているし、ソロモンの息子が少年兵士に仕立て上げられてしまう様子などは、見ていて辛いシーンになっている。

RUFは村を襲い、少年兵をリクルートし、村人を奴隷にしてダイヤの採掘をしている。なぜかと言えば、それが資金源になるから。なぜそれが資金源になるかといえば、大金を払う人が世界にいるからだ。

もちろん、合法的に取引されているダイヤもあるのだから、ダイヤを買うことが全て悪いというわけではない。ただ一方で、誰かのきらびやかな消費が裏でこんな悲惨な世界を生んでいるというのも現実なのか、と気付かされることには意味があるだろう。

恐らくこれは、ダイヤモンドだけの問題ではないんだろう。誰かが設けるために、誰かが楽に消費するために、その裏で搾取される人がいるんだろう。

 

厄介なテーマを描きながら、しっかりエンターテインメントとして見られるストーリーであり、同時に、この社会問題についてちゃんと考えるべきだと強く思える作品になっている。

レコメンド作品

ロード・オブ・ウォー

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