概要
運び屋をやめてセレブの運転手として働くフランク。ある日、突然謎の集団に襲われ、雇い主の息子を人質にとられてしまう。誘拐犯はフランクにあるブツの輸送を命令し、フランクは子供を救うためしぶしぶ仕事を行う。
レビューの印象
高評価
- 主人公フランクの活躍がこれでもかと描かれていて楽しい
- 余計なドラマがなく、シンプルなアクション映画として見易い
- 主要キャラクターのキャラが濃く、漫画的な楽しさがある
低評価
- 格闘、カーアクション共にリアリティがなく、さすがに乗れない
- 敵が主人公に都合よく動くシーンが多く、アクションシーンに緊張感がない
- ストーリーが全体的にご都合主義的
ナニミルレビュー
オススメ度:B
こんな気分の時オススメ:細かいことを気にせずアクション映画を楽しみたい時。強烈なキャラが出てくるアクション映画が観たい時。
セクシーな強敵ローラ
この映画の一番特徴的な存在は、やはりジャンニのパートナーであるローラだろう。
一言で言えば、めちゃ良い体をした殺人露出狂である。
キリッとしたルックスで、両手に連射銃を持ち、何のためらいもなくぶっぱなしてくる様子は、フランク以上にこの映画のアイコンになっている。
フランクとの格闘で、わりとあっさり倒されてしまうのが残念だけど、このキャラクターを見られることは、間違いなくこの映画の見ドコロのひとつ。
フランクの格闘アクション
前作『トランスポーター』では、クライマックスにかけてフランクの何でも屋さんぶりが遺憾なく発揮され、とても楽しい映画になっていた。
本作では、カーチェイスやジェットスキーでのアクションもありつつ、全体的に銃撃・格闘アクションにかなり重きをおいたバランスになっている。
冒頭シーンも、前作がカーチェイスだったのに対し、本作ではチンピラを撃退する格闘シーンになっている・これも、本作では格闘シーンに力を入れていることを印象づけている。
人質を取られ、敵をアジトまで運ぶシーンが一応あるが、フランク自身の仕事として運び屋仕事をするシーンがないのは少し残念。そこを期待すると肩透かしを食うだろう。
本作は前作以上に「アクション映画」というテーマにフルスイングしている清々しさがある。
ぶっちゃけて言うと、ストーリーは終始テキトーな部分が多い。
映画序盤では、ストーリーや演出のリアリティについて、いろいろツッコみたくなるだろう。しかし、だんだんとこの映画の雰囲気が飲み込めてくると、このゆるさは、アクションを楽しませるための潔さだと感じられる。
ラストのあたりで敵ボスのジャンニとフランクが話すシーンがある。「お前の目的はなんだ」というフランクに対して「金だ」とシンプルに答えるジャンニ。「お前のやってることは逆効果だぞ」と言われると、「そんなこと知るか。俺は依頼をこなしてるだけ」とシンプルに答えるジャンニ。
悪役であるジャンニは、何の思想も壮大な計画も持っていない空っぽのラスボスとして描かれている。あえてこの会話を挟むことによって、細かいストーリーは気にするな、という作り手のメッセージが表明されている。
ドラマや犯罪計画に余計な時間を割かず、とりあえず悪いやつをバタバタ倒していくフランクのアクションを堪能する映画なのだ。おかげて90分弱とコンパクトな時間に収まっている。
クライマックスでは次から次にさまざまな武器で襲いかかってくる敵をバタバタ倒していくシーンの連続になっている。
ここで敵の銃がすぐ弾切れになる辺りもご愛嬌。素手での格闘を見せたいし、見たいでしょ? という、作り手と観客の妙な連帯感が醸成されていく。
実際、前作同様、ホースなど身の回りにあるものを即席武器として使う格闘あり、敵をぽこぽこゴミ箱に収めていくようなコミカルな格闘もあり、墜落する飛行機の中で闘う変わり種な格闘もありで、わりとお腹いっぱいになる。
あえて言えば、最初の登場シーンで、めちゃくちゃ強そうに演出されていたジャンニと、普通に格闘するシーンも見たかった、という気持ちはあるが。
全体的にアクションシーンで突っ走っていく疾走感のある映画になっている。
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