映画

ジュラシック・パークIII -遭難救助を通して描かれる師弟の絆、夫妻の絆-

概要

研究の資金難で困る古生物学者アランの元に、ポールとアマンダ冒険家夫妻が現れる。2人は資金提供する代わりに、恐竜のいる島でのガイドをアランにお願いする。アランは島へ行くことを嫌がるが、資金につられて承諾する。

島の上空を飛行するだけだったはずが、飛行機は島に着陸。ポールらの息子エリックが島で遭難し、その捜索をすると告げられるアラン。さらに、恐竜に襲われ、乗ってきた飛行機も壊れ、一行は島の中に取り残されてしまう。

アランはとりあえず海岸を目指すことにして、夫妻もついていく。道中ラプトルに襲われたアランを、遭難後、サバイバル生活をしていたエリックが助け、家族は合流する。

一行は恐竜に襲われながら、川に降り、海岸を目指す。

みんなのレビュー

高評価

  • 1作目のようなメッセージ性は薄いが、恐竜に追われるサバイバルアクション娯楽作品として、楽しめる作品になっている
  • 衛生電話を使った場面や、恐竜側の戦術など、アクション以外での面白さもある
  • キャラクターたちのコミカルな掛け合いが面白い

低評価

  • サバイバルのリアリティや、恐竜の行動の説得力がなく、全体的に軽すぎる印象
  • キャラクターがステレオタイプでドラマがつまらない
  • ストーリーにひねりがなく、クライマックスが唐突に感じる

ナニミルレビュー

オススメ度:B

こんな気分の時オススメ:恐竜パニックを背景とした親子のストーリーを観たい時。無人島でのサバイバルを観たい時。

良い点!

テンポが良く、ちょうど良い長さにまとまっている。ジュラシックパークシリーズは2時間越えが当たり前な中、本作は90分ほど。恐竜が見られるエンタメスリラーとして最適なのはこれくらいではないかと思う。

エリックの捜索、島からの脱出というシンプルなメインストーリーに、アランとビリーの師弟関係、ポールとアマンダの元夫妻関係をドラマとして上手く挟み込んでいる。

恐竜に関しては、2頭の肉食恐竜のバトルが見られたり、空飛ぶ恐竜に襲われたり、前作からアップデートされている点もあり、見応えがある。

イマイチな点・・・

ラプトルと対峙するのが最後の試練になっているが、そこの描写はさすがに納得しずらいレベルのご都合主義に感じた。もちろん、そもそもSFなので厳密なリアリティを求めているのではなく、そこでラプトルがそう振る舞うだろう、というこの映画内でのリアリティが足りていないという意味。

いくらラプトルが賢いといっても、「卵の居場所を聞き出すまでは殺してはいけない」という高度な思考をしているとはさすがに思えない。ラプトルにその知性があったら、あんな笛ぐらいで騙されないと思うし、そもそもアランが笛を吹きこなしているのに違和感がある。

ジャングルで原住民族に囲まれた調査団風の演出もさすがに違和感があって、シリアスなシーンなのに間抜けに感じたのが残念。

またラストの島からの脱出も、一応「エリーの夫が国務省の人」という設定はあるにしても、さすがに呆気なさすぎる印象だった。

とはいえ、ここからもうひと展開入れて間延びさせるよりは良かったと思う。

アランとビリーの師弟関係

学者アランと、その助手ビリーのドラマが、ストーリー全体を貫く1つのドラマになっている。

ビリーは研究費のためと考え、ラプトルの卵を盗む。ラプトルが執拗に一行を追いかけるのは、その卵が原因になっている。

アランが責めると、「バカな行為だったが、良い目的のためだった」とビリーは言い訳する。

アランはそれを聞いて、「多くの最悪なことは、最高の目的のためと考えて行われた」とビリーをたしなめ、「君はこの場所を作ったやつらと同じように悪いやつだ」と言い放つ。

その後、ビリーは自分の罪を贖うため、エリックを助けるため危険を冒す。

アランはビリーの意思を見抜いて「やめろ」と止めるが、ビリーは固い意思を持って恐竜に立ち向かう。

ビリーが恐竜に襲われ、一行とはぐれてしまった後、アランはビリーにひどいことを言ったと後悔し、「彼は悪いやつじゃない。ただ若かっただけだ」と話す。

ビリーはアランから正義を学び、アランはビリーの若さを受け止め理解する。

夫妻の関係回復

完全に封鎖された恐竜の島に子供が遭難してしまい、それを救出するというのがメインストーリーになっている。

この子供を探す両親、ポールとアマンダは、今は離婚してしまっている。

この2人の夫妻関係が回復していくというドラマも、アランとビリーのドラマと並行して流れている。

優しく心配性のポールと冒険好きなアマンダ。

久々に再会した2人の会話を聞いているだけで、2人が上手くいかなかった経緯が読み取れる。

エリックを探したい気持ちの余り勝手な行動を取るアマンダを注意するポール。アランの言うことにただ従うポールに苛立つアマンダ。

同時に、離れていたことで、お互いの良さや、自分の問題も冷静に捉えられている2人。

2人は時々お互いに苛立ちながらも、過去の自分を謝ったり、相手の気持ちに理解を示すことで、少しずつ関係を取り戻していく。

そしてクライマックス。恐竜に襲われるアマンダを救うため、危険を冒すポール。ポールが川に沈んで見えなくなり「私の残していかないで」と泣き叫ぶアマンダ。「どこにもいかない」といって登場するポール。

こうして、遭難した息子の捜索を通して、離婚した2人が絆を取り戻すドラマが描かれている。

恐竜の恐怖表現

島を散策する中で、そこに住む恐竜たちに襲われる、というのは前作『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』と同じだ。

本作では、冒頭で重武装した強面の男たちが強力な武器を持って登場する。この男たちが、島に到着した途端、恐竜と対面して逃げ出す、という描写で間接的に恐竜の恐ろしさがまず描かれている。

さらに、帰りの飛行機が墜落してしまい、そこを巨大な恐竜に襲われる、それから逃げた先にもまた恐竜がおり、この2頭のケンカシーンが大迫力で描かれている。

ラプトルが犠牲者を罠として放置し、人間をおびき出そうとするシーンもある。単に力で襲ってくるだけでなく、恐竜の賢さによる恐怖も表現している。

そして、終盤で飛ぶ恐竜に襲われるシーン。飛ぶ恐竜に襲われるシーンはシリーズ初。掴まれて飛び立たれたらどうしようもできない、という恐さを感じることができる。

レコメンド作品

シリーズ作品