概要
前作のラストで1955年に取り残されてしまったマーティ。そこに、1885年にタイムトラベルしたドクからの手紙が届く。
ドクは過去で幸せに生き、タイムマシーンをある場所に隠して、マーティに手紙を残した。その手紙をもとに、1955年のドクと一緒にタイムマシーンを修理し、マーティが1985年に帰れば一件落着のはずだった。
しかし、ひょんなことから、ドクが手紙を残した一週間後にタネンという荒くれ者に殺されたことを知った2人。マーティは過去のドクを救うため、自分の時代に帰る前に1885年へとタイムトラベルする。
1885年に無事ついたもののガソリンが漏れてしまい、タイムマシンを走らせる動力を失ってしまう。
さらに、ドクを殺される危機から助けたものの、今度はマーティの方がタネンに恨みを買い、決闘を申し込まれてしまう。さらにドクがある女性に一目惚れし、未来に帰ることを躊躇する。
タイムマシンを走らせる妙案を考えついたものの、傷心のドクはバーで飲んだくれて行方不明。さらに無視するつもりだったタネンとの決闘を余儀なくされ、ドクの恋人クララもタイムマシンについてきてしまったり、ドタバタのクライマックスが待っている。
レビューの印象
高評価
- ハラハラドキドキできる王道の面白さ
- 若いマーティだけでなく、ドクのドラマも描かれている
- タイムスリップを上手くストーリーに活かすストーリーがすごい
低評価
- 前作までに比べて、スピード感がない
- ドクの行動が無責任に感じて乗り切れない
- 西部劇としてのクオリティが低い
ナニミルレビュー
オススメ度:B
こんな気分の時オススメ:前作まで観た時。時間が交錯する世界観を上手く使ったストーリーを観たい時。ライトな西部劇を観たい時。歳の離れた友人関係が観たい時。
今度は100年前の西部劇
第一作では30年前に、そして、前作では30年後の未来に行ったマーティ。今作では100年前の1885年にタイムトラベル。
まさに西部劇の舞台。荒野の中に街ができ、馬に乗って移動する。現代的な道具が何もない中、マーティとドクはどのようにタイムマシンを利用するのか。そこが、今回のストーリーのポイントになっている。
そして、流れ者として街に現れたマーティ。
まさに西部劇的なベタな展開をパロディとて展開しつつ、タイムトラベルしてきたマーティの振る舞いをコミカルに描いている。
酒場で荒くれ者に絡まれたり、投げ縄で捕まって馬で引き回されたり、ピストルでの一騎打ちから列車強盗まで、西部劇のモチーフをこれでもかと詰め込んでいる。
また、BTTFシリーズでお馴染みに、「実はあれはマーティが発祥元」ネタももちろんある。
マーティの成長と変わる未来
今回は、シリーズ最終作ということもあって、マーティがようやく成長する展開が用意されている。
「チキン」と言われると我慢ならず、後先考えずに行動してしまうマーティ。これまでも、その短気が原因でピンチに陥ったことが何度となくあった。
本作では、マーティが成長し、この短気を克服する場面が描かれる。
実は、この克服の展開が、前作から伏線として引かれていたある悲劇をも解決する展開になっている。
そして、このことがマーティの未来を書き換え、映画のラストのメッセージに繋がっていく。
タイムトラベルを題材とした大衆映画として、最後に実直なメッセージを残す素晴らしいラストになっている。